カメラについてのウンチク



Leica IIIc with Summaron f=3.5cm 1:3.5


 このカメラは知ってる人は知ってるライカのカメラだ。それも初期のバルナック・ライカあるいはスクリューマウント・ライカと呼ばれるやつ。
 このタイプのライカのカメラは IIIf と IIIc と呼ばれるモデルを1台づつ持ってる。拙者の持ってる2台のカメラが作られたのは 1950/1951年(S25/26年)だそうだけど、いまだに調子いいから、ちゃんとメンテに出せば一生もんかも知れない。

 あと、1953年(S28年)ころに作られたキヤノンの VISb(4Sb) ってライカのコピーカメラを持っててバルナック・ライカとほとんど区別なく使ってる。しかし、なぜかこのカメラ、アイレットがない。
 なんで、3つもボディーを持ってるかといえば、ライカ、特に古いモデルはフィルムの装填が極めて厄介だからだ。スペアのボディーにもあらかじめフィルムを装填して持ち歩いてる。

CANON 4ISb
Canon VISb with CANON 50mm f1.8


 このサイトの芦屋の風景はデジカメでも撮ってるけど、古ライカでもかなりの枚数撮ってる。デジカメで撮ったのをあとでライカで撮ったのに差し替えたりとか…。(笑)

 しかし、こんな古ぼけた妙なカメラを使ってるからって、クラシックカメラ・ファンでもライカ・ファンでもない。別にニコンやコンタックスなんかのレンジファインダのカメラでもよかったんだけど、縁あってライカ(Lマウント)のになった。
 この手のカメラって軽くてコンパクトなんだよね。だから街の中で振り回してても目立たなくていい。おまけに沈胴式の標準レンズやコンパクトな広角レンズを付けてると、ジャンパーのポケットにすっぽり入る。それがこのカメラを使ってる一番の理由だ。


APS cameras
 「だったら、もっとコンパクトなAPSとかがあるじゃないか」って話もあると思う。でも、我輩はオートのカメラって融通がきかないからいやなんだ。下手は下手なりにこだわりがある。(爆) それに古い時代のカメラって、メカ的な美しさがあると思うんだ。たぶん、工業デザイナーなんて職種がなかった時代なんだよね。機能がそのまんま美しいデザインに現れてるってすばらしいことだと思う。
 オートがメインのカメラで、いちいちオートを解除してピントや露出の設定をするなんて面倒なんだ。カメラのオートがこっちの意志をくんでくれて、ちゃんとやってくれるんだったらオート任せにするんだけど…。だからオートのために電子部品満載で肥大化した現代の一眼レフなんかも買う気がしない。(笑) 今のカメラのぬめーっとしたデザインも好きになれないし…。

 コンタックスGシリーズのカメラもかなり本気で検討したが、マニュアル設定がやりにくいしするので、「こりゃ拙者の使うカメラじゃない」と買うのをやめた。第一、レンズにフォーカシング・リングがないのが興醒めだった。けど、コンタックスのAPSカメラ Tix は買ってしまったし、あのGシリーズのデザインは拙者好みなので、いつの日か衝動買いしてしまう危険性ははらんでる。(爆)

 ま、たいていの時はオート任せで上手く行くんだけどさ。「多分割なんちゃら」って測光方式の一眼レフ・カメラでネガフィルムだったら、使い物にならないネガを作る方が難しいかも知れない。オートのカメラの方が写真の生産性が上がるのは間違いないと思う。

 現に、キヤノンのデジカメで撮るときはほとんどオートモードで撮ってる。だから、白いパネルを撮ったりしたら露出不足になるし、緑の森を撮ったら蛍光灯の光だとカメラが勘違いして、ほとんどグレーの森になったりする。(笑) そりゃまあ、プログラムモードに切り換えて露出補正やホワイトバランスの調整をしてやりゃいいんだけど、メニューを呼び出して画面での設定ってわずらわしい。あと、デジカメはオリンパスの C-2500L ってのも持ってて、これは曲がりなりにもマニュアルで使えるんだけど、あくまでも“曲がりなりにも”だ。(笑)
 でも、デジカメにはデジカメの良さがある。そう思ってなきゃ2台3台も買ったりしない。(笑) なんといっても速報性だね。撮って5分もすりゃWebのサイトにアップできる。


 ピント合わせは昔からやってるからマニュアルで全然苦にならない。だいたい使うレンズが広角系が多いもんだから、目測ピント合わせで充分なことが多い。だから、毎回機械にピントを合わせてもらう必要なんて全然ない。

VC meter けど、露出だね。日中の表でだと、だいたいは勘でゆけるんだけど、やっぱり目安となる露出計が欲しくなる。しかたないからセコニックのスタジオデラックスだっけ、古いセレン式のなんかを持ち歩いてたけど重くてかさばるんだ。
 で、今はコンパクトなフォクトレンダー(コシナ)の“VCメーター”ってのを使ってる。シリコン・フォトダイオードを使った反射光式だ。シャッター速度用と絞り用のダイアルがあって操作しやすく直感的で判りやすい。もちろん絞り目盛は“国際式”だし、シャッター用のダイアルは“一軸不回転倍数系列等間隔目盛”だ。(爆)
中味は“VCメーター”

 “VCメーター”はライカメーターみたいにクリップオンで使うのが基本らしいけど、どうせシャッター・ダイアルに連動しないから、GOSSEN の小型露出計 SIXTINO のケースに入れて持ち歩いてる。VCメーター用の巾着も持ってるけど、SIXTINO のケースの方が気に入ってるんだ。
 このVCメーターはよく出来た露出計だけど、LED表示が上部にあるので、表示を見ながら受光部を被写体に正確に向けての測光が難しい。だから測光値をホールドする機能がぜひ欲しい。

GOSSEN Sixtino 2
 実は、ケースを持ってるくらいだから GOSSEN の SIXTINO も持ってる(実際に持ってるのは SIXTINO 2)。この露出計、チッチャくて可愛いのがいい。入射光式として使うために、これもたいていポケットに入れてる。
 SIXTINO 2 は日中の表で入射光式として使う場合は問題ないけど、暗いところではダメだし反射光式として使った場合はちょっと精度が物足らない。ま、受光角の広いセレン式を反射光式として使う場合はどの露出計でも使いこなしにコツがいるのは確かだけど…。


 そうそう、バルナック・ライカは後期の一部のモデルを除いてストロボが使えないみたいだ。拙者の持ってる IIIf は“レッドシンクロ”って呼ばれるモデルじゃないから、たぶんストロボはダメだと思う。試したことないけどね。…今さら“閃光電球”なんて使う気なんてしないぞ。(爆)
 それと、昔のカメラは 1/1000 のシャッター速度はあんまりアテにならないみたいだ。いくら調整してもらっても頼りない。個人的には 1/200 までがいいとこだと思う。1970年代の名機キヤノンF1ですら、1/1000 と 1/2000 は危うかった。って、ネガフィルム使うんだったら実用上まったく問題ないんだけど。


 レンジファインダのライカならM2、M3、M4なんてのがある。で、たいていオールド・ライカを好む人はこの辺りの機種を使うと思う。その方が色々と便利らしいし、何よりもレンズの選択肢が多い。LマウントのレンズはM型ライカに使えるけど、Mマウントのレンズはバルナック・ライカには使えない。
 「Lマウントの古いレンズだけじゃやっぱり物足りない」「やっぱり最新のライカのレンズも使いたい」。正当なライカ・ファンならこれが正解だと思う。正統派なライカ・ファンなら最新のM6TTL使うかな?(笑)

 そう言えば芦屋ってライカの最新型持ってる人が多いみたいと思う。ベンツから降りてきて、首にM6ぶら下げてるとかね。そういうのよく見かける。どっかで個人用のベンツの所有率が日本一高いのは芦屋市だって聞いた。もしかしたら芦屋はライカの普及率もかなり高いかも知れない。

 けど、拙者みたいなビンボ人には人気機種って高いんだよね。それにライカの最新のレンズも高い。だから、拙者はバルナック・ライカで我慢してる。レンジファインダーが付いててレンズ交換が出来るマニュアル専門のカメラって、ライカM6TTL以外だと中古しかないんだよね…。
 と思ってたら、2000年3月にコシナから Voigtlaender BESSA-R ってのが出た。TTL露出計まで内蔵してるし、ファインダーも明るい上に倍率切り替えで使いやすい。
Canon P with Leica Summicron L 50mm F2


 あと、中古でよければLマウントのレンズが使えるので手ごろなのがある。キヤノンのP型(ポピュレール)だ。あるいはその高級版のVIL型、7(S)型とか…。

 キヤノンPの中古市場での価格は2000年1月現在、大阪で5万円前後らしい。キヤノンPはあのニコンFと同じ昭和34年(1959年)に発売になったカメラだから、シャッターは一軸不回転倍数系列等間隔でレバー巻き上げ。フィルムの装填も裏蓋開閉式でやりやすいし、ストロボも使える。
 ファインダは虚像式の上にブライトフレームがゴチャゴチャしてるけど、等倍ってのがいい。結構、耐久性もあり“大衆カメラ”とあなどれないぞ。

 C/P比を考えると、Lマウントのレンズが使える実用的なカメラとしては、2000年4月に発売されたフォクトレンダー BESSA-R を除くと、このキヤノンのがベストかも知れない。バルナック・ライカより大きくて重いけど…。
 ただ、このカメラは所有欲、征服欲を満足させてくれるようなカメラじゃない。絶えずライカに対する引け目・負い目を感じながら使うカメラだ。(爆)

 余談中の余談だけど、キヤノンは一眼レフブームが来てからも相変わらずレンジファインダーの機種に力を入れてたみたいだし、ニコンだってニコンFってヒット商品を出したのに、最高級レンジファインダカメラ、ニコンSPなどの発売を続けてたばかりでなく、その改良型まで作ってた。
 大手カメラメーカは「なあに、一眼レフブームなんてそのうち冷めるさ。カメラの王道はレンジファインダ」って思ってたんじゃなかろうか?



LEICA CL
with
Summicron M 50mm F2

 自分で使う道具って、やっぱり好みに合わないのは使いたくない。以前、ライカCLってのを持ってたんだけど、自分の手に合わず、手放してしまった。
 見た目が気に食わないってのじゃななかったけど、どうしても拙者の手にシックリ来なかったんだ。我輩の手には、縦の寸法に比べて横の寸法が短すぎてホールディングしにくかった。それと、シャッター幕の前にTTL用の受光素子があり、沈胴式のレンズがダイモテープを張るなどしないと沈胴式として使えないなど、レンズの使用に制約があるのも不満だった。
 結局、自分に合わないのは手放すことになってしまうんだね…。ま、このカメラ、買った値段より売った値段の方が高かったから全然損はしなかった。(笑)

 あと、カメラとして優秀でとっても便利だけど使わなくなったのの代表は 28mm 専用のレンズシャッター・カメラ、コーワSWだ。このカメラのブリキ細工みたいなデザインと安っぽいシャッター音が好きになれず使う気がしなくなってしまった。
 コーワはコンパクトだし使い勝手も良く、サブのカメラとしてずいぶんお世話になったんだけどね。ただ、レンズの性能はあまり良くなかった。シャープさに欠けるし、逆光に弱かった。しかし、価格からしたらしかたないだろう。コーワは手放した記憶がないので、捜せばまだどっかにあるかも知れない。


 そういう面から、コニカのヘキサーRFにもあまり興味がない。第一、見掛けが拙者の好みに合わない。また、50mm レンズを付けてぶら下げるとボディーが上を向いてしまうし、バヨネットのロックがルーズだったり、高級そうでいて意外なところがプラスティック製だし、その上これらのスイッチ類の操作感覚に違和感がある。操作ボタンやスイッチ類には操作するに心地よい硬さが必要なのだが、なんだかだらしなく感じる。また、電源が入ってないとフィルムカウンターが読めないってのは極めて居心地が悪い。
 更に自動巻き上げに慣れない拙者としては、右の親指が手持ちぶさたになるのも、今ところ抵抗がある。(笑)

Voigtlaender BESSA-R
Voigtlaender BESSA-R
with LEICA SUMMICRON L 35mm F2 ASPH
 こういうちょっとした部分が拙者のフィーリングに合わないのだ。拙者にはヘキサーRFはライカM6の代替品には到底なりえないって思える。ライカ・ファンじゃない拙者から見ても「ヘキサー恐るるに足らず」って感じだな。実際、発売直後のヘキサーRFの実機を触ってみたんだけど、ひねくり回せばひねくり回すほど、ライカM6TTLが欲しくなったぞ。(爆)

 その点、フォクトレンダーの BESSA-R なら価格も安いから、キヤノンP同様、実用機と割り切って使えるかも知れない。TTL露出計内蔵で便利なのはいいんだけど、ライカCL 同様、沈胴式のレンズが沈胴式として使えないという制約がある。
 なおこのカメラ、買って間もなく距離計が故障してメーカ送りの憂き目にあったという話も聞く。「やっぱり安物は…」と言われないよう、しっかり造って欲しいもんだ。


Leica IIIf : Leitz Elmar f=5cm 1:3.5 (F3.5 1/30)

リコーとフォクトレンダーのレンズ
最近のLマウント用の国産レンズ

リコーはこのように周辺光量が不足する
Leica IIIc: Richo GR f=28mm 1:2.8


 で、古いLマウントレンズだけど、1951年(S26年)製のズミタール 5cm 1:2 と1954年(S29年)製のズマロン 3.5cm 1:3.5、1936年(S11年)製のエルマー 5cm 1:3.5、それに 1953年(S28年)ころと1956年(S31年)ころに作られたキヤノンの名作レンズ 50mm f1.8 をなぜか2本持ってる。望遠は 1950-1952年(S25-27年)ころのセレナー 100mm F4 だけ。

 “古いレンズ”ってば、坂本竜馬や西郷隆盛のポートレート程度の写り具合を想像する人がいるみたいだけど、そんなことはない。(笑) 拙者手持ちのライカのレンズはいずれも完全な状態ではないけど、これらのレンズでもモノクロだと最新レンズに近い写真が撮れる。描写力にそれほどの不満はない。場合によっては却って空気感が出るように感じるときすらあるぞ。
 ただ…、色は…、たまたま撮るものにマッチしてればいいけど、やっぱり最新レンズと比べると無理がある。特に、順光の明るい風景を撮ったりすると、抜けの悪さや発色の鈍さばかりが目立ってしまう。

 ズマロン 3.5 cm とズミタール 5cm それにキヤノンのレンズは現代でも“まあ”使えるレンズだと思うし、エルマー 5cm も前玉が柔らかく傷だらけになった某“ズ”レンズよりまともだ。(笑) 渋く柔らかな描画、悪くいえば濁った発色でフレアーだらけの2線ボケで眠いレンズだけど、写真を“絵”と見た場合、このレンズが効果的な場合もある。
 しかし、ライカのことなんか判ってない拙者は、ライカ使うんだったらレンズはズミクロン以降に出来たのだと思う。その点からも、バルナック・ライカだけではしんどい。


 やっぱり最新のレンズが欲しいからって、フォクトレンダー(コシナ)の NOKTON 50mm F1.5 と ULTRON 35mm F1.7、COLOR-SKOPAR 35mm F2.5, SS-SKOPAR 25mm F4、それにリコーの GR 28mm F2.8 も持ってる。(1999-2000年購入) 暗いときとか、少し切れ味が欲しいときはこれらのレンズを使う。

 このうちリコーの 28mm レンズは面白い。現代のレンズにしては極端に周辺光量が不足してる。だから風景なんかを撮るとにはいいんだけど、万能って訳には行かないな。リコーからは 21mm のLマウントのレンズも出てるが、このレンズも同じような傾向だそうだ。狙ってのことだろう。

 フォクトレンダーのレンズは同じ名前でも昔のとは全然別物みたいだが、あまりクセのないレンズのようだ。繊細で穏やかな描画が得意なように思う。
 フォクトレンダーってば、ここのファインダーは重宝してる。ライカの純正中古のファインダーって、ほとんどボディーと同じくらいの値段するんだよね。バカバカしくって買えない。


 ほんとはさ、スクリューマウント・ライカって、最新型(および|あるいは)お気に入りのMマウントのライカ持ってて、その上で余裕で持つカメラだと思うぞ。…言いたくないけど。(爆)

NIKON F3 & FM2/T

NIKON FA with Nikkor 50mm 1:1.4


 あと、カメラはニコンの一眼レフも持ってる。ボディーはF3と New FM2、それに古いFAだ。すべてマニュアル露出で使ってる。別に目的があってばらばらの3機種にしたわけじゃない。予算の関係とか色々あってこうなってしまったんだ。(笑)
 ニコン最新の一眼レフはF5だけど、拙者の必要としない機能で肥大化したF5は買う気がしない。F3ですらデカくて重いって思うのに、拙者の体力ではF5使うんだったらトラックとフォークリフトがいるぞ。(爆)

 実は、我輩の手に一番フィットするのは何を隠そう、コンパクトなFAなんだ。もともとオート露出がウリの普及型一眼レフだけど、これをマニュアルモードに設定して使う。
 New FM2 の方がマニュアル専門で、しかも軽いんだけどグリップがないしね。それに、縦走り金属膜シャッターだから甲高いシャッター音がやや神経に触る。けど、メカニカルシャッターなので、電池なしでも露出計以外が完全に動作するのがいい。
 でも、やはり一番信頼してるのはF3だ。かなり長いこと酷使してるけど、今まで一度も故障したことがない。また、使ってて「あれ?」って動作をしたこともないんだ。

 芦屋の写真を撮るときもたまにニコンのカメラを使うことはあるけど、近所の風景を撮るには一眼レフってオーバーだから、あんまり使いたくない。
 使うとしたら、どうしても望遠系とかズーム系のレンズを使いたいとき、あるいはストロボを使いたいときだろうな。
 そりゃまあ、一眼レフは古いライカなんかと違ってフィルムを入れるのも楽だし、画面の端でもピントが合わせられるし、ピントを合わせたら即、シャッターが切れるし、レンズキャップ付けたまんま撮ってしまうこともほとんどないし、便利は便利なんだけどね。

 ニコンのズームレンズは2本持ってるけど、めったに使わない。デカいし暗いし、安物を買ったせいかボケが美しくない上に歪曲収差が出るのがイヤなんだ。おまけにそのうちの1本はAF用だから、ピントリングがふにゃふにゃだし焦点距離によってピントが移動してしまうのでマニュアルでは使いにくい。ズームレンズなんて「暗い・汚い・かさばるぞ」の3Kだ。(爆) でも、ずぼらしたいときとか、たいした目的もなくカメラ持ってゆくときは、ズーム1本付けてふらっと出掛けることもある。
 手持ちのニコンの単焦点レンズは、ほとんど20〜30年前のものだが、最新のものに買い換える必要性は感じてない。球面レンズ使った単焦点レンズは、この頃にはもう完成の域に達してたんだと思う。



 ライカとニコンをゴッチャに使うと戸惑う人がいる。なぜかピントリング、絞りリング共にニコンのレンズとライカのレンズとでは、回転方向が逆なのだ。けど、拙者はライカを持つとライカ流に、ニコンを持つとニコン方式に自動的に頭と手が切り替わる。ほんとは、単にぼーっとしてるだけなんかも知れないけど。(爆) ただし、同じ一眼レフでありながらヘリコイドや絞りリングの回転が逆なキヤノンの一眼レフとの併用は遠慮してる。
 ベトナム戦争当時、ライカのM2かM3に広角レンズを、ニコンFに望遠系のレンズを付けてってスタイルのカメラマンたくさんいたが、そのうちの一人が「ニコンとライカでは回転が逆だから困る」って言ってた。当時、拙者はニコンしか使ってなかったから全然困らなかったけどね。(笑) …そういやレンズの脱着も回転が逆だな。レンズ脱着の回転方向に関してはニコンがおかしいと思う。



 フィルムだけど、このサイトの写真用には ISO100/400 のネガカラーを使ってる。ISO400 のフィルムだと、晴天の順光では旧型カメラではあまりアテにならない高速シャッターを使う上、かなり小絞りで使うことになるのでレンズの味も違いもへったくれもかなり小さくなる。
 フィルムスキャナとの相性から、富士フィルムのになってしまう。ネガカラーだと撮影してそこら辺のDPE屋さんに飛び込めば、お茶飲んだり立ち読みしてるあいだに現像してくれるしね。また、ポジよりラチチュードが広いのもありがたい。露出は当然、撮る時にちゃんと決めるべきなんだけど、ポジを作る時に気が変わることだってあるし…。^^;
 けど、マジメにやるんだったら、ラボは選んだ方がいいみたいだ。現像してもらうところによってネガ濃度やカラーバランスなんかが全然違うんだね。へたった液で現像された場合、あとで色補正に苦労することになる。


 グダグダ書いたけど、カメラなんて何台持ってても一人で同時に使えるのは一台だしね。(爆) で、我輩のHPの写真程度なら、デジカメでもライカでもニコンでも大差ない。(笑) それなりに気を使って撮って、それなりの仕上げをすればだけどね。
 このサイトの写真見て、どれがデジカメのでどれが 35mm カメラのだかほとんどお判りにならないと思う。ま、中にはデジカメ丸出しのや、古いレンズ特有のフレアの出た写真もあるけど。(笑) 2枚ほどスキャナの色モアレが出てるのをそのまんま使ってたり、なんてずぼらしてたりして…。(笑)

 インターネットのHPに使う写真なら、写真がメインのサイトでない限り、どんなカメラでも使える。ベストはそれなりのデジカメ、ってことになるかな? けど、お気に入りの機械を使ってるときが一番楽しい。上手い下手や出来上がりは関係ないんだよね。(笑)



 最後に、このサイトには昭和36〜38年(1961〜1963年)のモノクロ写真があるが、これはオリンパス・オートアイってレンズシャッター式中級カメラで撮ってる。このカメラは昭和35年(1960年)に発売された日本初のAEカメラだ。露出は確かシャッター優先だった。このカメラ、今のAEカメラ同様、半押しにすると絞り値が決定されるんだけど、押す度に少しづつ絞り値が違う。で、何回か押して「よっしゃ」って値になったらシャッターを押してた。(笑)


Olympus AutoEye
 レンズの焦点距離は 45mm F2.8 だった。後に 58mm F1.4 付きのニコンFを手に入れた時、58mm レンズが望遠レンズみたいに感じた。
 オリンパス・オートアイのレンズは特に画面左側が光量不足だけど、周辺でも像の崩れも目立たず意外とレンズは優秀だなと思う。テッサー・タイプの4枚玉かな? 下の写真は上の写真の右端の部分伸ばしだ。

 1999年11月30日付けの朝日新聞・夕刊によれば、昭和37年(1962年)にアメリカの宇宙船「フレンドシップ7」にグレン飛行士がミノルタ・ハイマチックを持ち込んで、宇宙から地球のカラー写真を撮ったそうだ。
 当時、日本製のAEカメラは実用カメラとして世界的に充分通用したんだなと思う。この頃から高級機も実用機も、日本製のカメラが世界のカメラ市場を席巻しだしたようだ。確かこの頃、キヤノンのAEカメラ、キャノネットが世界的大ヒットしたはずだ。

 それにしても、ヨーロッパで宝石のようだったものをひとたび日本人が手がけるとガラス玉、あるいはそれ以下の値打ちのものにしてしまう。カメラ、万年筆、時計…。しかし、“レンズ付きフィルム”の時代に何万円も出して寝ぼけた単焦点レンズを買う人の気持ちなんて、尋常な神経ではとうてい理解できないはずだ。(笑)




・写真のサイズなどについて

 写真の縦横比は特に理由のない限り、35mm カメラの縦横比である2:3にしてる。また、サイズは原則として 384 * 256 pixels だ。「下手な写真を大きなサイズにするんじゃないよ。重くてしかたないじゃないか」ってご批判もあるかも知れないな。(笑)
 確かに、最新のホームページの作り方の本なんかにも「1ページのサイズは 64KB 以下にするべし。表示に時間がかかるページなんて、誰も見ない」って書いてある。けど、我輩にしてみれば小さなちまちました、しかもざらざらの写真のサイトなんて全然魅力ない。

 拙者の場合、写真が下手だからこそ、少しでも見栄えをよくするために、やや大きめのサイズにして、圧縮も画質劣化寸前までに押さえてる。その上、1ページ当たりの枚数も多い。(笑) 写真がメインのサイトでない場合、今の時点では、この程度が適当だろうと思う。
 ま、サムネール(小さな写真)をクリックしたりマウスのカーソルを持ってったりすると大きな写真が出てくる、なんて手もあることは知ってる。だけど、ずぼらな拙者にはそれって面倒なんだよな。自分が面倒だって思うことはやりたくない。(笑)

 このサイズの写真をふんだんに使ってのテストは 平成10年(1998)頃から別のサイトでやったんだけど、「重過ぎる」って批判は一度も貰ったことないし、定期的に見に来てくれる人も少なくない。
 今や、ケーブルTVや ADSL, FTTH によるインターネットへのアクセスも普通になってきたし、アナログ・モデム使っても 40KB/sec. 以上になった現在、これくらいのサイズは我慢してもらえるようだ。HTML ファイルの中でイメージの縦横のサイズをちゃんと指定しといてやれば、画像が表示されるまでの間にテキストが読めるしね。ほとんど不都合はないはずだ。

 いつまでも古い常識にこだわる必要はないと思うぞ。いるんだよね〜、どこの世界にも世の中の情勢が変わったこと無視して、昔覚えたことを金科玉条のようにニューカマーに押し付けてくるベテランってのが。(爆)
 こないだも、「メールのシグネチャーは4行以下にすべし」なんて小言垂れてるベテランがいて、ブッ飛んだ。なるほど、インターネットのことを規定したもの(=RFC)にそう書いてあるけど、それってネットが 1200bps 以下の時代、メールボックスの容量がうんと少ない時代の常識だと思う。(笑)
 確かにビジネス・メールなどは簡潔なメールがベターかも知れないけど、ビジネスと関係ない雑談メールにまで、そういう常識を押し付けるのはどーかと思う。おまけに職場から業務と関係ないメール出したり、関係ないサイトにアクセスしてたりして(爆)
 けど、ま、メーリングリストなんかに参加する時は、中にそういうことにこだわる人がいて、しかも、そういうこだわりの人たちは手ごわいってことを覚えといた方がいいかも知れないな。



・フィルタの話 − 蛇足中の蛇足

 拙者はほとんどのレンズにレンズ保護用のフィルタを付けている。たまに清掃のときに外してやるくらいで、付けっぱなしだ。不用意にレンズに傷をつけたり汚したりするのを避けるために、原則として上記のようなフィルタをいつも付けてる。裸のままだと埃が着くし、車などの排気ガスに混じってるものがレンズにこびりつかないかと心配だからだ。 
 このことに関して異論のある人が結構多い。「ちゃんと設計されたレンズによけいな光学系を追加するのはよくない。黄色やオレンジのフィルタを付けたり偏光フィルタを使ったりすることもあるけど、必要悪だ」「ライカのレンズの前に国産のフィルタを付けるなんて…」etc.。

 ま、そういう風に判っててフィルタをつけない人はいいんだ。けど、問題はレンズの汚れ&清掃に関して無知な人だ。汚れたからって、いきなりレンズに「はーっ」と息を吹き掛けてハンカチでごしごし。撮影が終わってもレンズキャップしないで友達と「がはは」と談笑してレンズに唾を飛ばしたり。(笑) 盛り上がったからって焼肉屋でいっぱいはいいんだけど、今度は油とタバコの煙がレンズを直撃だ。
 家に帰ってやっとさレンズキャップをつける。しかし清掃しないでそのまんま。ご丁寧にもカメラごと革ケースに入れて押入れの中にしまい込んでしまう。(爆) これじゃ、まるでレンズに傷を付けてカビを培養してるようなもんだ。

 レンズの清掃って、その道のプロがいるくらい難しい作業らしい。重要なことはレンズをなるべく汚さないように気を付けること。汚したらブロアーで汚れを吹き飛ばしてからレンズ刷毛でゴミを払い落とす程度が無難みたいだ。踏み込んでもアルコールかレンズクリーニング液でそっと拭く程度にしといた方がいい良さそうだ。

 レンズを汚したくないなら、やっぱりフィルタを付けて、撮影が終わったらすぐにレンズ・キャップを被せるのがいいと思うぞ。「レンズなんて消耗品。傷がついたりカビが生えたりしたら新しいのを買えばいいさ」って割り切れる人は別だけどさ。現に我輩も、数年しか使わないだろと割り切ってるデジカメのレンズに関しては、あんまり気を配らない。でも、習慣で撮影が終わったらマメにレンズ・キャップは被せてるし、家に帰ったらブロアー・ブラシで埃を落としてる。

 だいたい、カメラやレンズにカビを生やすってのは、使わないからだと思う。写真を撮ってこそカメラだ。拙者の場合、カメラやレンズがカビたことはない。使ってると周りの空気が動くからかな?
 本なんかでも、めったに読まないのには虫がついたりするけど、よく使う辞書や毎日手にする聖書には虫がついたりしないもんな。


2000年9月記





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